注文住宅を建てようと思った際に、ここ日本ではやはり気にかけておくべき「地震対策」。
いくらデザインやインテリア、外観の見た目などが良くても、地震に強くないと先々が心配ですね。
ここでは、地震対策として取られる対策「耐震」「制震」「免震」のうち、「耐震」と「制震」についてアピールしている住宅メーカーをピックアップしました。
なぜ「免震」を対象としなかったかというと、床下に設置する積層ゴムのような免震装置は、戸建住宅を建てる際には高価で、標準装備としているハウスメーカーは今のところ存在しないためです。
地震対策については、ほとんどのハウスメーカーがアピールしていますが、その中から以下の特長で選出しています。
(各ハウスメーカーがアピールしている特長は、実際の土地/設計/商品/仕様等によっては適用されない場合がありますので、詳しくは各ハウスメーカーに問い合わせてください。)
なお、耐震・制震・免震の違いについては、以下のような外部サイトをご参照ください。
・免震・制震・耐震の違い | THK 免震ウェブサイト
・耐震とは?制震とは? | ミサワホーム
・何が違う?耐震・免震・制震の違いとメリットデメリット | 西武開発
ハウスメーカーは当サイトで調査している一覧から選定しましたが、順次調査・アップデートを行っているため、合わせてこちらのページも更新していく予定です。
耐震をアピールしているハウスメーカー
「耐震」とは、建物の構造に工夫をして(筋交いを入れるなどして)、構造自体が揺れに耐えられるようにすることです。
日本では、2000年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、「耐震等級」という1~3の基準値があります。
※「耐震等級」については当サイトのキーワード集(クリック)にも掲載しています。
ここでは、耐震等級の最高値である「耐震等級3」をアピールしているハウスメーカーをピックアップしました。
なお、耐震等級に言及していなくても(鉄骨・コンクリート系のハウスメーカーに多いですが)、耐震性能の高さをアピールしているハウスメーカーは多々あることをご理解ください。詳しくは各ハウスメーカーの解説ページをご覧ください。
全国あるいは幅広い地域で対応
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アイフルホーム
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アキュラホーム
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一条工務店
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住友不動産
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住友林業
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セキスイハイム
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タマホーム
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トヨタホーム
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日本ハウスホールディングス
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桧家住宅
木造建築の「グランドスクラム構法」という構法で建てることにより、「耐震等級3相当」を実現しています。
対応地域:全国
将来の間取りの変更も容易な「S&I(スケルトン・インフィル)テクノロジー」により、コストをかけることなく強い耐力と大空間設計を可能にしています。
「耐震等級3」の1.1倍を満たしているかの確認を行っています。
(出典:アキュラホームのサイトより)
対応地域:関東・東海・近畿・中国エリア
「耐震等級3は当然」として標準仕様でこのレベルをクリアし、さらにその上の安心を提供することをアピールしています。
一条工務店では、耐震等級3を超える自社基準を設定して研究開発を行っています。
(出典:一条工務店のサイトより)
対応地域:全国
「ウッドパネル工法」で長期優良住宅に標準対応し、「耐震等級3」を実現しています。
住友不動産は、日本の住まいに最適な自然素材“木”のよさを活かしながら、伝統的な木造軸組工法と先進テクノロジーを融合。
木ならではの心地よさやぬくもりに強さをプラスした、ウッドパネル工法による新しい「木の家」を開発しました。
(出典:住友不動産のサイトより)
対応地域:全国
マルチバランス構法の構造モデルによる実大実験で阪神・淡路大震災の1.2倍の揺れに耐えつづけることを確認しています。
ここでは、「耐震等級3」程度の壁量で構成した試験体に阪神・淡路大震災時の最大地動加速度の1.2 倍を加振し、最高等級3の想定レベル(震度7・約600gal)を余裕で上回る高い耐震性を確認しています。
(出典:住友林業のサイトより)
対応地域:全国
標準仕様で最高等級の耐震等級3(倒壊防止)(損傷防止)をクリアすることが可能です。
ボックスラーメン構造、高性能外壁、ベタ基礎といった「ハイブリッド耐震GAIASS(ガイアス)」をアピールしています。
(出典:セキスイハイムのサイトより)
対応地域:全国
「耐震等級3」を基本としています。(プランや仕様によって変更になる場合あり)
(出典:タマホームのサイトより)
対応地域:全国
強靭な構造体「パワースケルトン」を採用するトヨタホームの家は、標準仕様で「耐震等級3」(プラン・仕様により異なります)
高い耐震性を発揮する「鉄骨ラーメンユニット」構造を採用しています。
(出典:トヨタホームのサイトより)
対応地域:東北~九州地方(四国除く)
様々な耐震性能の実験を行ってきた日本ハウスが提案する、伝統の工法に独自開発の新しい技術を融合させた、新木造ストロング工法。
耐震等級3で高い耐震性能。地震に強い家づくりを行っています。
(出典:日本ハウスホールディングスのサイトより)
対応地域:全国(北海道~鹿児島)
桧家住宅は長期優良住宅認定に基づく壁量計算で全棟「耐震等級3」を実現。
強い家をつくるために十分に耐震強度を確保したうえで、一棟一棟ごとの土地や条件に合わせた居住性・快適性・デザイン性を考えた間取り設計を行っています。
(出典:桧家住宅のサイトより)
対応地域:全国(北海道と沖縄は除く)
北海道中心で対応するハウスメーカー
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ecoaハウス
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コスモ建設
「耐震等級3相当、あるいはそれ以上」がエコアハウスの家づくりの基準であることをアピールしています。
(出典:エコアハウスのサイトより)
対応地域:北海道
床・壁・屋根の6面を一体化したモノコック構造で、「耐震等級3」をアピールしています。
モノコック構造は6つの面で外力を吸収・分散するため、地震や台風時に躯体が変化しにくいという特長があります。
(出典:コスモ建設のサイトより)
対応地域:北海道
関東地方を中心に対応するハウスメーカー
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オープンハウス・アーキテクト
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新昭和ウィザースホーム
- 2×6(ツーバイシックス)材と2×4(ツーバイフォー)材により、曲げ強度は従来の約2.5倍、圧縮強度は約1.6倍に
- 地震に強い6面体の「モノコック構造」
- 面材と枠組材を一体化した「ダイヤフラム」
- 壁倍率5.0倍の「壁構造」
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ナイス
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古河林業
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三菱地所ホーム
オプションで「耐震等級3」での設計を行っています。
(出典:オープンハウス・アーキテクトのサイトより)
対応地域:関東地方、静岡・愛知県
以下等の方策により、「耐震等級3相当」を実現しています。
(出典:新昭和ウィザースホームのサイトより)
対応地域:関東地方、山梨・宮城県
ナイスの強い家は、建築基準法で定められた最低限必要な耐震強度 1.0に対し1.5倍の耐震強度基準を満たした建物です。
耐震性を求めて開発された「パワービルド工法」を採用して、耐震等級3を確保します。
高性能金物による接合、専用CADでの構造設計とそれに基づくプレカット加工など、高い構造信頼性を実現するのが、ナイスグループオリジナルの金物工法「パワービルド工法」です。
(出典:ナイスのサイトより)
対応地域:東京・神奈川
豊富な木材量・部材寸法・国産材100%を最大限に活用して、本当に永く住まえる、安心快適な住まいをご提供します。
古河林業の木造軸組工法は従来の「軸(骨組み)」による造りに加え「面(合板)」を併せ持った構造を採用しています。
その中でも古河林業は「軸」の太さにこだわり、建物全体を骨太に造ることで耐震性・耐久性を始め様々な性能を高めております。
さらに部材の間隔を従来の木造住宅より密に入れることで、安定した構造となり家の強度が増します。
また、第三者機関の評価として、住宅性能表示「耐震等級」の項目でも最高等級の3を取得しており、より安心・安全な家づくりを行っております。
(出典:古河林業のサイトより)
対応地域:関東地方、宮城・山梨・愛知・三重の各県
2×NEXT構法「高耐力」:震度7の約1.5倍もの大地震に耐える。
従来の壁の耐力を50%アップする高耐力壁「ハイプロテクトウォール」、床の強度を高める床根太「I形ジョイスト」など、建物強度を高めるさまざまな構造技術が、
全棟標準で、耐震等級3を確保します。
(出典:三菱地所ホームのサイトより)
対応地域:東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫の各都府県
九州地方を中心に対応するハウスメーカー
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谷川建設
木造2階の床面構造に、無垢材を碁盤の目のような格子状に組んだオリジナル構法『格子組剛床構法』を採用しています。
この格子組剛床構法は、耐震性能として数百年に1度発生する地震力でも倒壊、崩壊しない『耐震3等級』を上回る性能です。
(出典:谷川建設のサイトより)
対応地域:九州地方全域、広島、東京
制震をアピールしているハウスメーカー
「制震」とは、建物内部に地震の揺れを抑える装置や構造体を組み込み、地震の揺れを吸収して抑制するようにすることです。
ここでは、制振装置の組み込みをアピールしているハウスメーカーをピックアップしました。
全国あるいは幅広い地域で対応
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アイダ設計
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アイフルホーム
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旭化成ヘーベルハウス
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クレバリーホーム
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サンヨーホームズ
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住友不動産
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住友林業
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積水ハウス
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トヨタホーム
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パナソニックホームズ
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ミサワホーム
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ユニバーサルホーム
標準的な「ブラーボスタンダード」仕様に耐震・耐火性能を向上させた「セーフティハウス」という商品を提供しています。
この中では、「たいさく君」という制振装置を装備し、「建物の揺れを1/2に軽減させる」としています。
(出典:アイダ設計のサイトより)
対応地域:東北(宮城・福島)~京都、九州・沖縄地方
建物の変形量が約1/2になるという「EVAS(イーバス)」(アイフルホーム次世代制震システム)を導入しています。
これは、ダンパーのような装置ではなく、構造用面材を構造体に貼り付ける際に、強力な粘りのある粘弾性体を使い、それが揺れを吸収する仕組みです。
(出典:アイフルホームのサイトより)
対応地域:全国
「キュービック」、「新大地」という商品で、「ハイパワード制震ALC構造」というものを採用しています。
これは、制震フレーム「ハイパワードクロス」と「剛床システム」を組み合わせた構造で、地震エネルギーを吸収して受け流す「制震」を、工業化住宅で初めて標準仕様としたものだそうです。
(出典:旭化成ヘーベルハウスのサイトより)
対応地域:関東・東海・関西・中国地方、九州北部地域
安全・安心を高めるオプションとして、地震の衝撃を吸収する独自の制振装置「J-ECSS(ジェイ・エックス)」を提供しています。
これは、特殊な樹脂でできた粘弾性ダンパーを組み込んだ制震壁で、揺れを熱に変換して制震します。
最大で建物の変形量を55%低減するようです。
(出典:クレバリーホームのサイトより)
対応地域:全国
地震の揺れを最大50%も軽減する、独自の「ダイナミックダンパー」を提供しています。
「サンダブルエックス ダイナミックダンパー」といい、サンヨーホームズ独自の技術によって新開発された制震ダンパーです。
組み込まれた高減衰ゴムが地震エネルギーを吸収します。高減衰ゴムの「速度依存性」という特徴で、地震が強いほど大きな効果を発揮します。
(出典:サンヨーホームズのサイトより)
対応地域:関東・中部・近畿・九州地方
住友不動産の「木の家」は、構造用接合金物による優れた耐震構造に制震システムをプラスしています。
制震システムに使用している特殊粘弾性ゴムは、劣化促進試験により60年経ってもほとんど性能が変わらないことが確認されています。
(出典:住友不動産のサイトより)
対応地域:全国
マルチバランス構法に「地震エネルギー吸収パネル」を提供しています(商品によっては装備なし)。
これは、「高剛性・高減衰ゴム」によるもので、地震エネルギーによる建物の変形を(一般的な筋交い工法に比べ)、最大約70%抑えます。
(出典:住友林業のサイトより)
対応地域:全国
積水ハウスオリジナル制震構造「SHEQAS:地震動エネルギー吸収システム(シーカス)」を提供しており、震度「7」クラスの大地震への対応も想定されています。
耐久性については住宅の鉄骨躯体の耐用年数に相当、効果については地震時における住宅の変形量を最大1/2以下に抑え、内外装の損傷を軽減するとのことです。
「シーカス」の心臓部といえるのが「シーカスダンパー」であり、中に組み込まれた特殊高減衰ゴムです。
(出典:積水ハウスのサイトより)
対応地域:全国
トヨタ独自の技術力で生まれた制震装置「T4システム」を採用しています。
これは、自動車に用いられるショックアブソーバーを発想の原点に、地震エネルギーを回転運動に変え、それをオイルが吸収して建物の変形量を約20~70%軽減するものです。
(出典:トヨタホームのサイトより)
対応地域:東北~九州地方(四国除く)
鋼材が伸びきるスリップ現象を防ぐ制震技術:アタックダンパーを開発
斜材部に「座屈拘束+低降伏点鋼」を使用した「アタックダンパー」が構造の要。それを採用した耐力壁「アタックフレーム」で揺れを低減し、「引張」「圧縮」の両方で耐力を発揮。地震の大きな力が繰り返し加わっても、優れた制震技術で建物の損傷を最小限に抑えます。
(出典:パナソニックホームズのサイトより)
対応地域:全国(北海道除く)
「倒壊ゼロ」の耐震構造に、制震装置「 MGEO(エムジオ) 」を導入し、内装仕上げ材の「損傷ゼロ」までも目指しています。
「MGEO」は、高い地震エネルギー減衰効果により、2カ所のみの設置で地震エネルギーを最大約50%軽減します。
制震装置「MGEO」は、壁の内部に複合テコ原理を応用した独自の変位拡大機構と、高減衰ゴムをセットした制震ダンパーを組み合わせた構造でできています。
(出典:ミサワホームのサイトより)
対応地域:全国
揺るぎない家族の安心のために。制震装置「MGEO-N63」(エムジオN63)を提案しています。
※MGEO-N63はミサワホーム株式会社の登録商標であり、その技術を新築在来木造用に転用・開発された制震装置です。
制震装置「MGEO-N63」は、建物に地震のエネルギーがかかると、テコの原理を応用して、センターフレームが地震エネルギーを効果的に増幅して制震ダンパーへ伝達。高減衰ゴムが伸縮しながら地震エネルギーを熱エネルギーに変換・吸収し、1階上部の振れ幅を最大約1/2に軽減します。
(出典:ユニバーサルホームのサイトより)
対応地域:全国
北海道中心で対応するハウスメーカー
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ecoaハウス
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三愛地所
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住研ハウス
オプションとして、家の揺れそのものを半減する装置である日本制震システム社の「MERシステム」という制震装置を提供しています。
(出典:エコアハウスのサイトより)
対応地域:北海道
本震に続く余震のこと、また地震後の暮らしのことも考え、住宅用制震ダンパー「MIRAIE(ミライエ)」を標準装備しています。
これは、住まいの持つ耐震性を損なうことなく、新たな性能を加え、本震だけでなく、繰り返し来る余震にも強いものです。
(出典:三愛地所のサイトより)
対応地域:北海道
地震時の振動エネルギーを瞬時に熱エネルギーに変換する、高減衰ゴムの性能を利用した住友ゴムの「MAMORY(マモリー)」を組み込むことができます。
これは、制震効果が60年持続するため、メンテナンス不要とのことです。
(出典:住研ハウスのサイトより)
対応地域:北海道(札幌・苫小牧・千歳・恵庭)
関東地方を中心に対応するハウスメーカー
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オープンハウス・アーキテクト
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木下工務店
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新昭和ウィザースホーム
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タツミプランニング
オイルダンパによる地震対策技術を戸建住宅に適用した工法である「GHハイブリッド制震工法」を採用しています。
採用しているのは(株)日立製作所のオイルダンパで、(財)日本建築防災協会(国土交通省所管)が実施している住宅等防災技術評価制度で技術認定を取得しています。
(出典:オープンハウス・アーキテクトのサイトより)
対応地域:関東地方、静岡・愛知県
高層ビルの揺れの制御にも使われている制震技術を木造住宅に応用した、先進システム「DUOフレーム工法」を標準採用しています。
この工法では、地震の揺れを熱エネルギーに変換・放出することで、最大70%低減してくれます。
「DUOフレーム工法」では、壁内にダイヤモンド型ユニットと、制震ダンパーを組み込みます。
(出典:木下工務店のサイトより)
対応地域:関東地方
ツーバイシックス工法との相乗効果で、揺れを最小限に抑える制震装置「J-ECSS(ジェイ・エックス)」を開発。
構造躯体に組み込まれた「J-ECSS」は、特殊な粘弾性ダンパーで揺れのエネルギーを熱エネルギーに転換して吸収、空気中に放散します。
震度7の揺れを想定した実験でも、一般的な耐震住宅に比べ揺れの衝撃をほぼ半減することが実証されています。
(出典:新昭和ウィザースホームのサイトより)
対応地域:関東地方、山梨・宮城県
最新の地震対策として、プランニング内容により最適な[制振装置]を装備するようにしています。
世界最高峰のショックアブソーバー・サスペンション・メーカーが製造した「evoltz」、住友ゴム工業が製造した「MIRAIE」、いずれかを採用しています。
(出典:タツミプランニングのサイトより)
対応地域:神奈川県(横浜市)
九州地方を中心に対応するハウスメーカー
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谷川建設
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耐震テクノロジーを飛躍的に進化させた“高減衰ゴム”を採用した、住宅用制震ダンパー『MIRAIE』を採用しています。
(出典:谷川建設のサイトより)
対応地域:九州地方全域、広島、東京
対応地域:
ほかにも全国のハウスメーカー/住宅メーカーを引き続き調査し、随時更新していきます。